とある医者の回顧録と日々雑感

某臨床医の人生で起きた出来事や日々思うこと、
医師患者関係や医療情報などについて語ります。

2020年2月3日、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号で、

乗客10人がCOVID-19を発症したと報告され、

2月20日までに、

乗員乗客3700人中619人がSARS-CoV-2陽性になった。

 

AERA dot. から

 

 

スウェーデンUmea大学のJ Rocklov氏らは、

公表されたデータに基づいて感染症流行数理モデルを構築し、

介入なしに全員を船内に留めた場合と、

2月3日時点で全員を船から退避させた場合の、

2月19日までの感染者数を推定した。

 

本論文は、Travel Medicine誌電子版に2020年2月28日に報告。

 

この数理モデルによると、

2月19日までの累積感染者数は、

乗務員1000人中168人(16.8%)、

乗客2700人中464人(17.2%)と推定された。

患者の総数は632人になり、

実際の患者数である619人に近かった。

 

一方、

早期に乗員乗客全員を船から降ろし、

自国に戻ることを許して、

自宅隔離を指示する

という対策を取った場合、

潜伏期間中の患者が何人拡散するかを推定した。

仮に2月3日の時点で全員下船させた場合、

 

 

76人の潜伏期間中の患者が含まれた

と推定された。

 

2月19日時点で全員が下船した場合、

潜伏期間中の患者数は246人と推定された。

 

ということで、

早く下船させた方が感染が抑えられた可能性

が強く支持される論文でした。

 

 

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2020/03/06 (金) 22:33 | 医療情報
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Duke大のRasmussenらの研究によると、

ニュージーランド在住の住民1000人を対象にして、

45歳時の歩行速度が遅いと、

身体機能と脳機能の老化が早い結果が

示され、歩行速度が速い人の方が顔も

若く見えるとのこと。

(Rasmussen LJH,  et al. Association of neurocognitive and

physical function with gait speed in midlife.

JAMA Netw Open. 2019;2(10):e1913123.)

 

ということで、

”中年期から頑張って早く歩く運動が

若く見える安上がりなアンチエイジング”

かもしれない。

 

https://www.mentalfloss.com/article/68568/humans-adapt-their-gait-walk-laziest-way-possibleから

 



2020/01/03 (金) 17:14 | 医療情報
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一晩に9時間以上寝たり、

90分以上の昼寝をしたりする習慣のある人は、

脳卒中を起こしやすい可能性があることが、

華中科技大学(中国)産業医学教授の

Xiaomin Zhang氏らの研究から示された。

 

夜間の睡眠時間と昼寝の時間がどちらも長い人は、

特に脳卒中の発症リスクが高い

ことが分かったという。

 

中国の成人男女3万1,750人

(平均年齢61.7歳)のデータを収集。

平均で6年間追跡し、

夜間の睡眠時間および昼寝の時間、

睡眠の質、

睡眠時間の変化

と脳卒中リスクとの関連について調べた。

 

追跡期間中に、1,500人以上が脳卒中を発症。

 

分析の結果、

高血圧や糖尿病、喫煙習慣などの脳卒中のリスク因子を考慮しても、

一晩の睡眠時間が7時間以上8時間未満だった人に比べて、

9時間以上だった人では脳卒中リスクは23%高い

ことが分かった。

 

一方、睡眠時間が6時間未満と短くても、

脳卒中リスクへの影響はみられなかった。

 

また、

昼寝の時間が30分以内だった人と比べて、

90分を超えていた人では脳卒中リスクは25%高かったほか、

 

睡眠の質が高い人と比べて、睡眠障害のある人では

そのリスクは29%高いことも示された。

 

さらに、一晩の睡眠時間が9時間以上と長く、

かつ昼寝の時間も90分を超えていた人では、

脳卒中リスクは85%と最も高いことも明らかになった。

 

「Neurology」12月11日オンライン版 から

 

ということで、

睡眠時間が短くても

質の高い睡眠が体にいいらしい。

 



2019/12/29 (日) 23:17 | 医療情報
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電子タバコまたはベイピング関連肺損傷は、

重度の肺損傷や、全身および消化器症状と

関連する新たな疾患であり、

 

重症度は多岐にわたること、

多くが抗菌薬やステロイドで治療されているが、

臨床的に改善しても異常が残存する患者が多いことが、

米国の多施設共同前向き観察コホート研究で示されたようだ。

 

Denitza P Blagev, et al:Clinical presentation, treatment,

and short-term outcomes of lung injury associated

with e-cigarettes or vaping:

a prospective observational cohort study.

Lancet . 2019 Nov 08; pii: S0140-6736(19)32679-0.

 

この研究は、米国ユタ州の13施設において

確認された電子タバコ関連疾患60例が対象。

 

60例中、

33例(55%)が集中治療室(ICU)に入室し、

53例(88%)が全身症状、

59例(98%)が呼吸器症状、

54例(90%)が消化器症状を呈していた。 

 

(CareNetの記事から一部引用)

 

とことである。

 

本国でも、電子タバコで一服している方

もよく見かけるが、この結果からすると

考え直す必要がありそうだ。

 



2019/11/22 (金) 21:23 | 医療情報
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英ロンドン大学の研究からの情報

(CareNet 2019 7/2の配信記事から)

 

これまでの研究では、コーヒーを摂取すると

動脈硬化リスクが高まる可能性が示唆されていたそうな。

 

今回、コーヒー愛好家にとっては、

上記リスクを覆す研究が報告された。

 

心臓MRI検査と動脈硬化の状態を評価する

脈波検査を受けた成人8,412人のデータを収集。

 

参加者をコーヒーの摂取量で、

 

(1)1日1杯未満

(2)1日1〜3杯

(3)1日3杯超

 

の3つのグループに分けて、

 

コーヒー摂取量と動脈硬化との関連

を調べた。

 

特に喫煙や飲酒の習慣がある男性で

コーヒー摂取量が多い傾向がみられたという。

 

 

結果:

1日に25杯ものコーヒーを摂取する人もみられたが、

これほど多量のコーヒーを摂取しても、

1日1杯未満だった人と比べて

動脈硬化の悪化は認められない 

ことが分かった。

 

年齢や性、民族、喫煙習慣、身長や体重、

飲酒量、食生活、高血圧といった動脈に影響を及ぼす

可能性がある因子で調整して解析しても、

「これ以上摂取すると動脈に有害」とされる

コーヒー摂取量の上限を明らかにすることはできなかった。
とのこと。

 

コーヒー好きには朗報かもしれないが、

胃潰瘍やコーヒー依存症などの問題もあり

一概にコーヒー飲んでもよし

ということにはならないか?

 

 



2019/07/03 (水) 17:35 | 医療情報
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